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2014年12月15日

【小説】くだらない話 02

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side 新井シンジ「はじまり」
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僕は一人が好きだ。

毎日、飽きもせずにテレビであったお笑い番組のはなしや、
どこかで聞いたような恋のはなしを繰り返すクラスメイトたち。

平然と遅刻してきてはくだらない授業をつづける覇気のない教師たち。
受験だ、塾だと騒ぎたて人の未来を勝手に見定める親たち。

ありふれていて、
つまらなくて、
なんの面白みもない。

アイツらと一緒にいるくらいなら一人でいる方が良いに決まっている。

だから僕は彼らと距離を置いている。
心にフィルターをかけ中を決して覗かせたりはしない。

しかし、あからさまな態度をとれば逆に目立ってしまうので、
行動や言動を合わせるようにしていた。

流行りのB'zやZARDの新曲をそらで歌えるようになるくらい聴いた。
「高校教師」や「一つ屋根の下」も見て、俳優や女優の名前も言えるようになった。

「14106(愛している)」はお手のものだ。
数字を使ったポケベルの言葉遊びもある程度は覚えた。

会話では適当に相槌をうち流行りの話題をふりながら流れにそって顔をほころばせて笑顔を作る。
目指したのはどこにでもいるような気の合うクラスメイト。

ただそこにいる、空気のような存在であれればよかった。
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posted by c-book at 18:04| 【小説】くだらない話