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2015年06月25日

【小説】くだらない話 03

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side 新井シンジ「はじまり」
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帰宅した僕は、自室のベッドに寝転び、封筒から手紙を出して読み始めた。



こんにちは、神谷ナオです。

突然呼び出してごめんなさい。
何か変な感じじゃありませんでしたか、髪とか服とか大丈夫だったかな。

私、ちゃんと告白できてたかな。

あの……もしよかったら、私と付き合って下さい。




そこには、女の子らしくまる文字で書かれた文章があった。

神谷ナオとは中学に入ってからの2年間、ずっと同じクラスだが、
会話をした記憶があまりない。

日常的に話すクラスメイトたちとは別のグループで、
向こうから話かけてくるような性格ではなく、
むしろ窓際の席で本を読んでいるような大人しい印象がある。

家庭科の授業で調理班が一緒になる機会はあったが、
ニンジンを輪切りにするのを手伝ったことがあるくらいだ。

もちろん、暴漢から彼女を救うヒーローのような活躍をした覚えもなく、
どう考えても好意を持たれる接点はなかった。

僕は大きなあくびをしながら寝返りをうち、仰向けになる。
深呼吸をして静かに瞼を閉じると、ほの暗い空間に包まれた。
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posted by c-book at 12:02| 【小説】くだらない話