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2015年06月25日

【小説】くだらない話 04

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side 新井シンジ「はじまり」
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暗闇の中で必死に考える。

どうすればうまく立ち回れるのか。
できるだけ神谷を傷つけず、クラスに悪い噂が広まらないように告白を断わりたい。
今の平穏な生活が乱されることがないようにしたかった。

目を開けて。
「こんにちは、神谷ナオです。突然呼び出してごめんなさ……」
手紙を読み返すうち、僕はあることに気付く。

返事も手紙ですればいいんじゃないか。

わざわざどこかに呼び出して相手に伝える必要がない。
断るときに、気まずい雰囲気にならず、内容もすんなりと伝わる。

ようは美辞麗句を並べたてて付き合えないと書けばいいだけだ。
僕はベッドから起きあがり、勉強机へと向った。



翌朝、学校に着くと周りに人がいないのを確認して神谷の靴箱に手紙を入れた。

千切ったノートに「ごめん」と一言。

買い換えて間もない新品のノートを半分ほど犠牲にしてひねり出したにしては、余りにも虚しい。
少しため息をついて靴箱のふたをゆっくりと閉めた。
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posted by c-book at 12:06| 【小説】くだらない話