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2015年06月25日

【小説】くだらない話 11

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side 新井シンジ「文通」
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断り方が不味かったのか、
と思ったがあれほどストレートな方法もないだろう、と自問自答すること数十秒――

結局考えはまとまらず、僕は2階の踊り場から階段を下りきっていた。

靴箱まで靴を取りに行き、ふたたび校舎へと戻る。
日課が残っているからまだ帰れない。少し憂鬱になった。

1階の廊下を北へ進み、校舎の外へと出る。
そこには屋根のある通路があり、20メートルほど先には体育館があった。

ふたつの建物に挟まれた土地を僕の右手側、つまり東へ進むとグラウンドがあり、
野球やサッカーなどの部活動が行われていた。

西側の奥には赤茶色のレンガで造られた6畳ほどの花壇がある。
僕は外靴に履き替えて花壇へ向った。

この中学では、必ず何かの部に所属しなくてはいけない校則がある。
そのため、僕は園芸部というジジくさい部で夕刻になるとひっそりと活動していた。
面倒だけど仕方ない。僕の他に植栽をやる人間は、この部にいないのだから。

反抗期まっさかりの中学生すべてがスポーツや文化に汗を流すわけはなく、
生徒の多くは文化系の幽霊部員になって帰宅部を名乗る。

入ってさえいれば出なくても校則違反ではないらしい。

園芸部も例外ではなく、元々の不人気もあって部員は少ない。
僕以外はみな活動内容が帰宅だ。

顧問の教師にいたっては、卓球と園芸をかけもちしているらしく、
どうやらピンポン玉に夢中なのだろう。

どうせ顔も名前もおぼえていないし、急に来られても分からないから
そのほうが助かる、と思っていた。
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posted by c-book at 16:29| 【小説】くだらない話