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2015年07月02日

【小説】くだらない話 15

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side 新井シンジ「文通」
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しばらくすれば神谷も飽きて、文通も僕たちの微妙な関係も自然消滅するに決まっている。
それまで我慢すればいい。

僕は筆箱からシャーペン出してにぎり、二枚目の手紙の質問を埋めていった。


好きな食べ物は野菜フライ。

嫌いな食べ物はハンバーガーのピクルス。

好きな服装はグレーのパーカー。

趣味は園芸。

好みのタイプは……



教室でのイメージを損なうことがないように、
知られてもいい本当と、当たりさわりのない嘘を適度にまぜて書いた。

次の日、学校に着くと靴箱の前で彼女と会った。

「あっ……おはよう」

また断られるのではないかという不安からか、神谷は悲しそうな面持ちをしていた。
彼女は感情が顔に出やすい人なのだろう。

僕は書いてきた手紙を渡し、神谷は少し驚きながらそれを受けとる。
「……ありがとう」と嬉しそうに言った。

礼を言われるようなことをしたつもりはなかったので、
何事もなかったように教室へ向かった。



その日から神谷と僕の手紙のやりとりがはじまった。
彼女は文通するにあたって2つのルールを制定してきた。
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posted by c-book at 16:15| 【小説】くだらない話