clear.gif

2015年07月02日

【小説】くだらない話 16

--------------------------------------------------------
最初から読む(目次へ)⇒

side 新井シンジ「文通」
--------------------------------------------------------
@教室では今まで通りに接すること
A手紙は郵送すること

@の理由は一緒に行動すると手紙が同じ内容になってしまうため、
読んでもつまらないものしか書けなくなるから。
なるべく相手が知らないような事柄にしなければならない。

Aは郵便受けに手紙が届く楽しみを味わいたいからだ。
いきなりの文通宣言といい彼女は本当に強引だ。

僕はこれを決めることに反対はなかったが、
ひとつだけルールを付け加えようと返事を書いた。


B友人やクラスメイトに僕らが文通しているのを黙っていること


ふたりだけの秘密にしていたほうがおもしろいよ、という理由を文面に書いた。

内心では、周りから冷やかされることもなく、
文通を辞めたとしても噂になりにくいだろうと考えていた。

毎週火曜に手紙がとどき、金曜には返事を書いて出した。

友達付き合いの相談から好きなアーティストの新曲に感動して泣いた、
といったたわいない話まで、交わした手紙の数だけ僕は彼女を知るようになった。
--------------------------------------------------------
次の話へ⇒


posted by c-book at 16:17| 【小説】くだらない話