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2015年07月02日

【小説】くだらない話 26

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side 神谷ナオ「私と先輩」
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「おつかれさま。調子はどうですか?」
「いやぁ、絶好調だわ。明日もバンバン点とれそう」
「そっか」
「……あのさ、あとでちょっといいか」

たぶんデートの誘いかなにかだろう。
いいですよと答え、私は倉庫へ入っていった。

窓から入る光でほこりが空中に映りこむ。
私は片手で口をおさえながら、もう一方の手でボールカートをどけて進む。

部屋の隅には白いチョークで作戦が書きなぐられた黒板や、部の書類の置かれたロッカーがある。
私はロッカーからオーダー表や部の日誌をとりだして体育館へ戻った。

明日が試合ということで、その日の部活は六時前に終わった。
外はまだ明るく、かすかにオレンジがかった空を仰げた。

制服に着替えた私は村沢先輩とふたりで、校舎と体育館にはさまれた土地を歩いていた。
屋根のある通路をつっきって花壇の近くまで行き、左へ進んで体育館の裏手へとまわる。

そこは体育館が日を遮っているため大きな影ができていて、薄暗かった。

左手には白い壁、右手には雑木林、
正面には面長の彼氏がいる。

先輩は真剣な顔で私を見つめていた。
少し嫌な予感がしたので聞いてみる。

「なにか、あるんですか」
「ああ、いや、そのだな……」



と、村沢先輩は距離をつめて私の肩をつかんだ。
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posted by c-book at 17:06| 【小説】くだらない話